施術とは、患者の病気や痛みを癒してあげるお仕事です。「人はなぜ、病気になるのか?」ということを知らなければ、施術がどうあるべきかを明確にすることはできません。病気の原因は一つに絞れるはずもないのですが、その中でも大きな要因の一つとして、「心の問題」があります。
患者さんと日々接している方であれば、お分かりになると思いますが、肉体が弱っているだけではなく、心(精神的)も病んでいる場合が、とても多いのです。そんな患者さんには、技術だけでは片手落ちです。
つまり、患者さんを治すためには、技術と同時に心の痛みを分かち合い、癒してあげる必要があるのです。患者さんと接する時は、そのことをふまえた上で、言葉遣い、声のトーン、気遣いをしなければなりません。このような要素は実は、施術家、整体師にとって意外にも極めて重要なのです。
反対にいいますと、このような患者さんと施術家の関係が築けてしまいますと、身体と心の両面がほぐれ、根本からの解明が一挙に可能になってきます。
にも関わらず、そのことを教えてくれる学校はほとんどありません(というより、どのように教えればいいのか、学校サイドも分かっていないケースが多いのです)。とにかく、患者さんに再度来店していただくためには、ぜひとも抑えておかなければいけない一つのスキルとも言えます。
また、別次元の問題として、将来独立したいという方にとっては、開業資金のやり繰りや営業も含めた展開、施術家としての生活など、現実的な問題が、次から次へと起きてきます。
今まで、これらの問題は、ほぼ100%その人の能力とセンスに委ねられてきました。なぜかといいますと、その能力を持っている方はごくわずかであり、ましてやそれを教えてくれる人など今までいなかったからです。これらは、本当にその人の能力とセンスに100%委ねざるを得ないものなのでしょうか?
業界的にも、治療費もデフレ化し、治療院業界にも競争が激しいのが、昨今の現実です。しかし、面白いことに、一度、患者さんから信頼していただくことによって、口コミが発生し、価格競争はもちろん、集客のための営業活動をする必要がないのも、この業界の特長としてあります。
では、このような業界の特性をふまえた上で、これからの整体学校はどのようにあるべきなのでしょうか? |